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2015年 10月 20日
小さい頃から 読書が嫌いだった。 夏休みの宿題の読書感想文は 後ろのあらすじの中から言葉を抜粋しただけの、 それはもう拙劣な物に仕上がった。 今思うと、よく恥ずかしくもなく提出できたものだと、 穴があったら入りたい程の情けない想い出だ。 その後成人してからもそれは続き、 読解力がないばかりに 看護学校ではみんなについていくのが精一杯で、 看護学生時代はひどく苦労した。 それからなんとか無事国家試験に合格して就職し、 4〜5年経った頃、 なんだか澄んでいた世の中がだんだんとグレーに変わり、 やがて真っ暗闇になった。 *** それからの5年は苦しかった。 これはいったいいつまで続くのだろうと途方にくれる毎日だった。 そんな様子を見かねた親友が、 一冊の本をプレゼントしてくれた。 本嫌いだったことも忘れてじっくりと読み始めた。 結局内容と題名はあまりリンクしてるとは思えなかったが もの凄く衝撃で感嘆しきりだった。 この本との出逢いが私の人生を160度変えた (180度までには至らなかった)。 真っ暗だった世の中が一瞬にして パーッと明るく眼の前が開けたのだ。 それからは身体・精神共に安定した日々となった。 大きく思考も変化し、 その一つに子どもを設けるということがあった。 自分のDNAを後世に残すまいと強く誓っていたのに それを覆すほどの変化で、 おそらくオットはその刻々と変化していく状況に いささか困惑していたと思う。 *** 本との出逢いで変わらなかった20度の部分が 今もなお私を苦しめているのだけれど、 幸いなことに なんとかやり過ごす事が出来ている。 できればあと“20度”を変える本に巡り逢いたい。 而立からの読書への興味はだいぶ遅いとは思うけど この本に出逢わなければそれも叶わなかったのだから、 私に本を与えてくれた親友には 心から感謝している。
by reucose
| 2015-10-20 13:04
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